河野周さん|Amane KAWANO

河野周さん|Amane KAWANO

合格スクールColumbia University-Teachers College
The University of Sydney
留学先(国)アメリカ
オーストラリア
専攻(メジャー)Education /TESOL/Educational Psychology
職業中学高等学校専任教諭

今回インタビューにご協力頂きました河野さんは、中学/高等学校の専任教諭というキャリアをお持ちです。そして今回、“日本の子供たちの思考力と英語力の育成に貢献したい”という大きなキャリアゴールを実現するためご留学を決意されました。そんな河野さんに留学決意からご準備、合格獲得までお話を伺うことが出来ました。

Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

主に3つの理由があります。1つ目は大学院時代に一度諦めてしまった夢をかなえたかったということです。

実は今から5年前位の話になりますが、(日本の)大学院生だった時に、アメリカの大学院からOfferも頂いていたんです。ですが、経済的な理由や様々な条件が合わずに諦めってしまったという過去がありました。その時から、そのことがずっと心の中に引っかかっていて、いつかは行きたいという気持ちがありました。

2つ目の理由は、大学院で行っていた自分の研究をより発展させたいという思いです。

私は大学院時代に「批判的思考力と英語力」に関する心理学研究を行っていました。教員になってからは、その経験を活かして、学校で英語ディベートの指導を行っていたのですが、幸い生徒たちを全国大会まで連れて行く事が出来ました。

ただ、それと同時に、指導の中で、批判的思考力と英語力の育成に関して、新たな問題に何度もぶつかりました。また、全国大会を通して、同じような悩みを抱えている多くの先生と出会い、自分の研究をもっと発展させたいという想いが強くなりました。

3つ目の理由としては、ディベートの世界大会を目の当たりにし、世界の壁を感じた事です。

ディベートの世界大会に教え子を連れて行った際に、日本のチームがなかなか勝てない状況がありました。もちろん、日本人には英語というハンデがありますが、それ以外にも、何かが足りないと感じました。これからの若い世代が、ディベートの世界大会や、他の様々な世界の舞台で活躍するために、何が必要かを研究したい、さらには、そうした研究を通して日本の英語教育にもっと貢献したいという気持ちが強くなりました。

こうした3つの理由から、学生時代は単純に「留学がしたい」という気持ちだけだったのが、 “留学を通してしっかり学び、それを日本の英語教育に還元しなくてはならない”という使命感が芽生えるようになりました。


Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

先ほどの様な想いになったのは、教員3年目の2015年頃でした。

まず2014年に目標としていたディベートの社会人の全国大会で優勝することができたのですが、目標を達成し、さらにレベルアップしたいという気持ちが強くなりました。またそれと同時に、職場でも、海外研修プログラムやディベートの全国大会などで、頑張っている生徒たちの姿を見て、自分自身も、もっとレベルアップしなくてはならないという気持ちが強くなり、実際に動き出す動機になりました。

その頃から、具体的な準備を進めて行きました。準備としては、主にテスト対策と書類の準備の2つを行いました。

まずテスト対策に関しては、TOEFLの学習を開始しました。大学院時代に、受験した事があったので、さほど時間はかからないかなとは思っていました。ですが、実際に勉強をし始めると、社会人という状況で、勉強時間がなかなか取れないということもあり、かなり苦労をしました。

さらに苦労したのはGREです。GREについては開始するのが遅かったので、もう少ししっかり前もってやっておくべきだったと反省しています。

2つ目は、書類についてです。推薦状とエッセイが、審査の肝になると思っていました。推薦状に関しては、定期的に大学の指導教官の方々とコンタクトを取り、依頼がスムーズに出来るようにしました。社会人になると、学生の頃とは異なり、指導教官の方々と日常生活の中で会うことが難しくなるので、とても不安でしたが、早くから動くことで、その不安を解消しようとしました。

合格に最も影響すると言われているエッセイに関しては、自分1人では限界があると思っていました。ですので、どこかの留学エージェントにサポートをお願いしようと考えていました。最初の準備としては、どのエージェントにお願するのかというエージェント探しから始まりました。

そう思っていたところ、2月にこちらのセミナーに参加させて頂きました。それが、他のワークショップでは得られないようなとても有意義な内容だったので、迷わずこちらにサポートをお願いすることにしました。結果的に本当に満足する素晴らしいサポートをして頂くことが出来ました。


Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?

自分の目標である“日本の子供たちの批判的思考力と英語力の育成に貢献したい”という観点で、最も役立つ内容が履修できる大学院を出願校として選びました。

その目標に繋がる内容としては2つのアプローチ方法がありました。英語力の育成につながるTESOL(英語教授法)と、思考力の育成につながる教育心理学です。合格が得られた2校もこの2つの分野だったので、どちらに進むかは、Offerを頂いてから3カ月位、悩み続けました。

最終的には、日本の大学院で教育心理学を既に学んでいたので、今回は別の分野を1から学び直したいと思い、TESOLを選び、Sydney大学への進学を決めました。

Columbia大学も素晴らしい大学なので本当に迷いましたが、決め手としては、古くから移民を受け入れているオーストラリアはTESOLの最先端の研究が行われていること、

そして何より、Sydney大学が、ディベートの世界一の大学であることが決め手になりました。


Q4. 留学のご準備で大変だったことや、逆にこの期間を経て得られたものなど、印象に残っていることがあったら教えてもらえますか?

Q4. 留学のご準備で大変だったことや、逆にこの期間を経て得られたものなど、印象に残っていることがあったら教えてもらえますか?

大変だった事は主に2つあります。

1つは、周りの人にいかに理解してもらうかと言う事です。社会人になってからの留学は、家族もそうですが、職場の理解も必要になるので、どの時点で留学の意思を報告すべきか、その反応はどうだろうかと、とても悩みました。

私は、学校に勤めていて、後任の方の人事の事もありますし、早めに学校側へ意思を伝える必要がありました。ですが、報告が早ければ、実際に渡航までの期間が長くなるので、もし好意的に受け止めて頂けなかった場合、雰囲気の悪い中で仕事を継続していかなければならないという可能性もあったので、とても不安でした。

ただ、そうした不安よりも、ギリギリの報告になり、迷惑をかける方が嫌だったので、“立つ鳥跡を濁さず”ということもあり、半年前に学校側に報告をしました。するとむしろ、校長先生や同僚の先生方に理解をして頂き、応援や協力までしていただきました。校長先生をはじめ職場の皆様には今も本当に感謝しています。

2つ目に大変だったのは、“やる気の維持”です。社会人の方は皆さんそうだと思いますが、日々本当に時間がなく、油断をしていると、すぐに1週間や1カ月が経ってしまいます。

ですので、私は、日々の生活の中で留学の準備を行う仕組みづくりをするように心がけました。例えば、出勤前に勉強時間を必ず確保したり、電車の中・登校中の道・トイレでの勉強方法を詳細に決めておくなど、分単位でスケジュールを考え、どんなに忙しくても、留学準備の作業が出来るように、日々のスケジュールを綿密に組み立てました。

また、モチベーション維持のためには、こちらのエッセイ・カウンセリングをペースメイカーとしていました。自分だけだと、留学の準備が仕事の後回しになってしまいがちになりますが、第3者の方とお約束している事によって、ご迷惑をかけない様にやらなければと思う事が出来るので、それが良い緊張感になりました。

それでも何度か提出期限を過ぎてしまいましたけど…(笑)。ただ、そのおかげで10月にはエッセイをすでに完成させることができました。さらにまた、自分がなぜ留学するのか目的意識も明確になり、さらにモチベーション維持に繋がりました。


Q5. これから大学院で学ばれる事を将来的にどの様に活かされていかれたいか、今後のご希望や豊富について伺えますか?

Q5. これから大学院で学ばれる事を将来的にどの様に活かされていかれたいか、今後のご希望や豊富について伺えますか?

現場の教師として英語教育に関わるのか、研究者としてなのか、 NPOなどの活動を通してなのか、今後どういったキャリアになるかは分かりませんが、大学院留学を通して、しっかりと学び、どんな関わり方であったとしても、日本の英語教育に貢献していきたいと思っています。

特にグローバル社会と呼ばれる現代において、異なる言語・異なる文化を持つ人々とのコミュニケーショは今後さらに必要になってくると思います。現代においては、環境問題や民族紛争など、世界中の人々と協力しなければ解決できない問題が多数存在します。そうした問題の解決のため、日本の若者が海外で積極的に活躍し、幸福で平和な社会の実現に貢献できるようにするためには、批判的思考力や英語力を身につける事は非常に重要な事だと思っています。ですので、そういった点を研究し、英語教育の発展に貢献していきたいと思っています。


Q6. 最後に、現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願い致します。

Q6. 最後に、現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願い致します。

特に社会人で大学院留学を目指していらっしゃる方へのメッセージになりますが、社会人で大学院留学を目指すとなると、「時間がない」とか「仕事との両立が大変だ」とか、デメリットばかりが目にいきがちだと思います。

しかし、私は学生の時と社会人の時と、2度大学院留学の準備を経験して、社会人だからこそのメリットもあるのではないかと思っています。

理由は主に2つあります。1つは資金力です。

社会人になると、時間はあまりありませんが、使える資金力は比較的あるのではないかと思います。そして、その資金を用いて、時間を”買う”事が出来ると思うのです。私はこちらのサポートをお願いする事によって合格に近づけるエッセイを効率的に仕上げる事が出来ました。

あとこれは失敗例ですが、GREの対策にも投資すべきだったと思っています。一度経験しているからと言って甘く見ていましたが、塾に通うなどして、もう少し効率的に勉強することで、良い点数が出せたのではないかと、その出費を惜しんだ事を後悔しています。

社会人の場合、ただでさえ時間がないので、効率の悪い準備をする事で、体調を崩したり、逆にお金を使ってしまったりする事もあると思います。逆に、資金を上手く使う事ができれば、効率よく準備を進めることができるので、それが社会人のメリットになるのではないかと思います。

社会人としてのもう1つのメリットは人脈です。私は今回、様々なの職種・分野の社会人留学経験者の方からお話を伺ったり、アドバイスを色々頂いたりしました。大学生だと、たとえ社会人の方にお話を伺っても社会人同士ではなく学生としてアドバイスを頂く事になるので、そこまで深いお話を伺う事が難しい時もあるかと思います。

実際、同じ社会人としてだからこそ厳しい質問や言葉を頂戴する事もありました。例えば“なぜ仕事を辞めて留学に行く必要があるのか?逃げではないのか?”などと言われ、一瞬たじろいだこともありました。ですが、そうした厳しい質問が自分自身の気持ちを整理するきっかけにもなりました。そういった人脈も学生にはない社会人のメリットだと思います。

最後に、社会人の方へのメッセージとしては、大学院留学を目指す中で、なぜ留学をする必要があるのか、自分の本当にやりたいことは何なのかを、できるだけ早く明確にしておく事が大事になってくるのではないかということです。

なぜなら、目標がはっきりすることで、忙しい毎日の中でも、気持ちにぶれがなくなり、なんとか踏ん張ることができるようになるからです。振り返ってみると、自分がここまで来れたのは、そうした目的が明確だったからだと思います。

もちろん、目的や目標をすぐに明確にすることは難しいかもしれませんが、常にそれを意識することが大事なのだと思います。

そうすることで、留学の準備と仕事を両立することができ、忙しい日々に埋没することなく、留学に向けて、どんな試練も乗り越えられるのではないかと思います。